ピアノの4和音が届かない…は才能のせいじゃない!手が小さくても美しく弾ける3つの工夫

ピアノの4和音が届かない…は才能のせいじゃない!手が小さくても美しく弾ける3つの工夫

「あと少しなのに、和音に指が届かない…」独学でピアノを頑張るあなたへ。そのもどかしい気持ち、痛いほどわかります。でも、安心してください。その悩みは、あなたの才能や努力が足りないからではありません。この記事では、「届かない」という悩みを、あなたの演奏を「もっと素敵にする」チャンスに変える、プロも使うやさしい工夫をご紹介します。読み終える頃には、その不安が自信に変わり、すぐに試せる具体的な解決策を手にしているはずです。


「私だけ…?」いいえ、違います。手が小さい悩みは、多くのピアニストが通る道

ピアノの和音が届かない…、本当にもどかしい気持ちになりますよね。憧れの曲の楽譜を前に「この指、あと1センチ長ければ!」と何度も思うことも。独学で練習していると、特に「この壁を乗り越えられないのは、自分だけなのでは…」と孤独を感じやすいものです。

「手が大きくないと、やっぱり難しいですよね…?」という声をよく聞きます。その声の裏側には、「自分には才能がないのかもしれない」という深い不安が隠れています。

しかし、断言します。それは違います。

実は、ピアニストの清塚信也さんも、ご自身の手が大きくないことを公言されています。清塚さんは、その小さな手をものともせず、素晴らしいテクニックと表現力で多くの聴衆を魅了しています。清塚さんの存在は、手の大きさで悩む私たちにとって、まさに「希望の星」と言えるでしょう。手の大きさは変えられませんが、弾き方はいくらでも工夫できるのです。あなたの悩みは、決して特別なことではなく、多くの人が通り、そして乗り越えてきた道なのです。


「ごまかし」じゃない!届かない和音を「美しい響き」に変える3つの魔法

「でも、楽譜通りに弾けないのは、やっぱりダメなことなのでは?」と思うかもしれません。ここで、少しだけ考え方を変えてみましょう。楽譜は作曲家からの「手紙」のようなもの。その手紙にどう「返事」を出すか、つまり、どう演奏して音楽を表現するかは、あなた次第なのです。

これから紹介する3つの方法は、「ごまかし」や「ズル」では決してありません。むしろ、自分の身体と向き合い、音楽をより豊かに表現するための、プロも使う正式なテクニックです。


1. アルペジオ(分散和音)で、優雅な響きをプラスする

届かない4和音に対する最も代表的な解決策が、アルペジオ(分散和音)というテクニックです。 これは、和音を「ジャーン」と同時に鳴らす代わりに、「タラララン」と下(または上)の音から順番に素早く弾く方法です。

このアルペジオ奏法は、物理的に指が届かない問題を解決するだけでなく、曲に華やかさや優雅さを与える効果もあります。バラードのようなゆったりした曲では、特に美しい響きを生み出します。


2. 音の省略で、和音の「骨格」をしっかり響かせる

アルペジオが曲の雰囲気に合わない場合や、もっと歯切れよく弾きたい場合には、和音の構成音の一部を省略する、という解決策があります。

「音を抜いてしまったら、響きが変わってしまうのでは?」と心配になりますよね。大丈夫です。和音には「この音がないと、和音のキャラクターが変わってしまう」という重要な音と、「なくても響きの骨格は保たれる」音があります。

簡単な見分け方としては、和音の一番下の音(根音)と、和音の響きを決定づける第3音は残し、5度の音を省略することが多いです。まずは色々な音を抜いてみて、ご自身の耳で「これなら違和感がないな」と感じる響きを探すのが一番の近道です。


3. 両手での分担で、無理なく正確に音を出す

どうしても省略したくない、重要な和音の場合は、反対の手に助けてもらう「両手での分担」というテクニックが有効です。

例えば、左手で弾くべき4和音の一番下の音だけを、右手の親指で弾く、といった具合です。この方法は、両手の連携が必要になるため少し練習が必要ですが、慣れれば楽譜通りの音を無理なく、正確に響かせることができます。特に、曲のクライマックスで力強い響きが欲しい時に、この両手での分担は大きな武器になります。


いますぐ実践!手を痛めずに、もっと楽に弾くための身体の使い方

ここまでご紹介したテクニックを試す上で、絶対に忘れてはいけない大前提があります。それは、手や腕の不要な力を抜く「脱力」です。

独学の方に見られる典型的な失敗・課題は、届かない和音を無理やり力で押さえつけようとして、手や腕を痛めてしまうことです。無理な力みは、本来届くはずの和音さえも届かなくさせてしまう原因になります。すべてのテクニックの土台として、リラックスした身体の使い方が不可欠です。


ワンポイントアドバイス!

鍵盤を押さえた後、すぐにフッと力を抜く意識を持ってみてください。

なぜなら、多くの人は音を出す瞬間に最も力を入れ、そのまま力を入れ続けてしまうからです。ピアノの鍵盤は、一度底まで押せば、それ以上力を入れても音は変わりません。押さえた瞬間に力を抜く癖をつけるだけで、驚くほど手が楽になります。

また、もう一つの具体的なコツとして、「鍵盤の奥を弾く」という意識も有効です。特に黒鍵が絡む和音の場合、鍵盤の手前よりも、根本に近い奥側で弾く方が指の可動域が広がり、楽に指が届くことがあります。

弾き方の違いによる影響比較
観点 力んだ弾き方(NG例) 脱力した弾き方(OK例)
手の形 指がこわばり、手首が固まっている しなやかで、手首が自由に動く
音色 硬く、響きが短い金属的な音 柔らかく、豊かで伸びやかな音
疲れやすさ 短時間で腕や肩が痛くなる 長時間弾いても疲れにくい

よくあるご質問(FAQ)


Q1.指を広げるストレッチは効果がありますか?

A1.指の柔軟性を高める軽いストレッチは有効ですが、やり過ぎは禁物です。お風呂上がりなど、身体が温まっている時に、指の間を優しく広げる程度にしましょう。「トレーニングで指の間を広げる」というよりは、「脱力によって、指が自然に開く状態を作る」という意識の方が大切です。


Q2.楽譜の音を勝手に変えてもいいのでしょうか?

A2.もちろんです。クラシックの偉大なピアニストたちも、自分の解釈で音を追加したり、変更したりすることは珍しくありません。大切なのは、楽譜を神聖なものとして恐れるのではなく、作曲家との対話を楽しみ、あなた自身の音楽を奏でることです。この記事で紹介したアルペジオや音の省略は、その対話のための立派な「言葉」なのです。


まとめ:あなたの手で、あなただけの音楽を

この記事では、ピアノで4和音が届かないという悩みに対し、具体的な3つの工夫と、その土台となる身体の使い方についてお話ししました。

  • 手が小さい悩みは、あなた一人ではありません。
  • アルペジオ、音の省略、両手での分担は、「ごまかし」ではなく立派な演奏テクニックです。
  • 何よりも大切なのは、力を抜いて、音楽を楽しむ気持ちです。

さあ、今日からあなたも「工夫するピアニスト」です。止まっていた曲の練習を、新しいテクニックで再開してみませんか?

この記事で紹介した3つの工夫のうち、まずは1つだけ、今練習している曲で試してみてください。きっと、昨日とは違う美しい響きが、あなたの手から生まれるはずです。