ピアノ6年目のレベルは?もう人と比べない!我が子の進度を知る安心ガイド

ピアノ6年目のレベルは?もう人と比べない!我が子の進度を知る安心ガイド

「うちの子、ピアノを6年も続けているのに、このままで大丈夫なのかな…」

発表会などで他の子の素晴らしい演奏を聴くと、ふと、そんな不安がよぎってしまうお母さんへ。

まず一番にお伝えしたいのは、その心配はごく自然なことであり、そして、お子様の今のペースは決して間違っていない、ということです。

この記事は、単なるレベルの目安を解説するものではありません。お母さんの不安を自信に変え、明日からお子さんを笑顔でサポートできるようになるための「安心ガイド」です。

この記事を読み終える頃には、ピアノ学習6年目の一般的な進度の目安が分かり、個人差が生まれる理由に納得し、そして何より、お子様自身の頑張りを心から認められるようになっているはずです。


「うちの子、遅れてる?」多くの保護者が抱える“6年目の壁”とは

「先生、うちの子、もしかして遅れていませんか?」

特に、ピアノを習い始めて5〜6年が経った、小学校中学年くらいのお子様を持つお母さんから、このご相談が急に増える傾向があります。

発表会で、同じ学年のお友達が自分のお子さんよりずっと難しい曲を弾いていたり、ママ友との会話で「〇〇ちゃんはもうソナチネだって」と聞いたり…。そんな具体的な出来事をきっかけに、それまで漠然と感じていた不安が、はっきりとした焦りに変わってしまうのです。

この“6年目の壁”とも言える現象は、お子様の成長にとって非常に大切な時期に起こります。ピアノが単なる「楽しい習い事」から、少しずつ「難しい技術」へとステップアップする段階だからこそ、保護者の方が「これでいいのかしら」と悩んでしまうのです。

でも、どうか安心してください。あなたが今抱えているそのお悩みは、お子様のことを真剣に考えているからこその、愛情深い悩みです。そして、あなた一人だけが感じている孤独な悩みではありません。


まずは知っておきましょう。ピアノ6年目の「一般的な現在地」

では、まず多くの方が一番知りたいであろう、「一般的な現在地」からお話ししますね。専門用語は使わず、ピアノ学習の道のりを「すごろく」や「階段」のようなイメージで捉えてみましょう。

多くのピアノ教室では、以下のような教本(テキスト)を順番に進めていくことで、少しずつレベルアップしていきます。

  • ステップ1:入門期(〜2年目頃)
    • 使う教本:「バイエル」「ぴあのどりーむ」など
    • 学ぶこと:楽譜の読み方、指の形といった、音楽の冒険に出るための最初の準備です。
  • ステップ2:初級卒業(3〜4年目頃)
    • 使う教本:「ブルグミュラー25の練習曲」など
    • 学ぶこと:短い曲の中に素敵な物語があり、「ドレミ」を音符としてだけでなく、感情を込めて表現する楽しさを学びます。
  • ステップ3:中級への入り口(5〜7年目頃)
    • 使う教本:「ソナチネアルバム」「ツェルニー30番練習曲」など
    • 学ぶこと:少し長くて構成のしっかりした曲に挑戦し始めます。ピアノを6年間続けているお子さんの多くが、このステップの入り口あたりにいます。
  • ステップ4:中級(8年目〜)
    • 使う教本:「ソナタアルバム」、ショパンのワルツなど
    • 学ぶこと:誰もが知っている、本格的なクラシックの名曲に挑戦していく段階です。

このように、「ブルグミュラー25の練習曲」で表現の基礎を学んだ後、多くのお子さんは、より形式感のある「ソナチネアルバム」へと進んでいきます。 もしお子様が今、ブルグミュラーを終えたところか、ソナチネに入ったばかりだとしたら、それは非常に標準的で順調なペースだと言えるでしょう。


“進度の差”が生まれる3つの理由|大切なのは練習時間より「質」

「うちの子と同じ時期に始めた〇〇ちゃんは、もうソナタを弾いているんです…」

そうですよね。一般的な現在地が分かっても、やはり具体的な誰かと比べてしまうお気持ちもよく分かります。では、なぜ同じように始めても、進度に個人差が生まれるのでしょうか?

その曖昧に見える「個人差」の正体は、主に3つの理由から説明できます。そして、その理由は決して「才能」という一言で片付けられるものではありません。

  1. 練習の「時間」より「質」
    進度の差が生まれる最大の要因は、練習時間の長さではなく「練習の質」にあります。例えば、テレビをつけながらダラダラと1時間ピアノの前に座っている子と、たった15分でも「この4小節を完璧にするぞ」と目標を持って集中して練習する子とでは、後者の方がはるかに上達します。

  2. 子供自身の興味・関心
    お子様が今取り組んでいる曲を、心から「好き」と思えているかは非常に重要です。クラシック曲より、流行りのアニメソングを弾いている時の方が、驚くほど集中力を発揮する子もいます。子供の興味の方向性と、レッスンの内容がうまく合致しているかどうかも、進度に影響します。

  3. 指導者との相性
    先生の指導方針も様々です。一つの曲を完璧に仕上げてから次に進む先生もいれば、子供を飽きさせないように、たくさんの曲をどんどん経験させる先生もいます。どちらが良い・悪いではなく、お子様の性格と先生の指導方針との相性が、結果として進み方の違いとなって表れるのです。


ワンポイントアドバイス!

どうか、「ヤマハグレード」のような客観的な指標を、他人と比較するための物差しにしないでください。

なぜなら、この点は多くの保護者が見落としがちなのですが、「ヤマハグレード」や「ピティナ・ステップ」といった素晴らしい指標は、本来、お子様自身の成長を記録し、次の目標を設定するための「アルバム」や「地図」として使うべきものだからです。曖昧な「個人差」を客観的な現在地として可視化できる便利なツールですが、その数値を他人と比較し始めた瞬間、お子様も保護者も苦しくなってしまいます。

家庭での練習「質」のチェックリスト
観点良くない練習 😥良い練習 😊
目的意識ただ何となく、始めから終わりまで通すだけ。「今日は右手のこの部分をなめらかに」など、小さな目標がある。
集中力他のことに気を取られ、何度も中断する。短い時間でも、楽譜に集中している。
保護者の声かけ「練習時間、まだ終わらないの?」「今のところ、すごく綺麗だったね!」と過程を褒める。

不安な気持ち、どうすれば?先生への上手な相談の仕方とQ&A

ここまで読んでいただき、個人差の理由については、少しご納得いただけたかもしれません。

それでも、心の中のモヤモヤが完全に晴れないそんな時は、一人で抱え込まず、専門家であるピアノの先生に相談するのが一番の解決策です。先生は、お子様の個性や練習の様子を最もよく理解している、お母さんの強力なパートナーなのですから。

ただ、少しだけ伝え方にコツがあります。

  • あまり良くない相談例:
    「先生、うちの子、遅れてますよね?」
    (感情的で、先生を問い詰めるような印象を与えかねません)

  • おすすめの良い相談例:
    「先生、いつもありがとうございます。最近、今後の進め方について少し考えておりまして、〇〇(お子様の名前)の現在の課題や、次の目標について、先生のお考えをお聞かせいただけますでしょうか?」
    (前向きで、先生と協力したいという姿勢が伝わります)

このように尋ねることで、先生も具体的なアドバイスがしやすくなります。

最後に、よくある質問をいくつかご紹介しますね。


Q1.コンクールには出た方がいいのでしょうか?

A1.目的によります。競争がモチベーションになるタイプのお子様には素晴らしい経験になりますが、プレッシャーに弱いお子様には逆効果なことも。発表会や、自分のペースで参加できる「ピティナ・ピアノステップ」など、活躍の場は色々あります。お子様の性格に合わせて先生と相談するのが良いでしょう。


Q2.家での練習を嫌がる時は、どうすればいいですか?

A2.まずは理由を聞いてあげてください。「曲が難しい」「練習が単調でつまらない」など、原因が見つかるかもしれません。そして、「練習しなさい!」と頭ごなしに言うのではなく、「5分だけ、お母さんに聴かせてくれる?」とお願いしてみるなど、ハードルを下げてあげる工夫も有効です。


まとめ:お子様の「大好き」を育てる、世界でたった一人の応援団長へ

もう一度、この記事で最も大切なことをお伝えします。

ピアノの進度は、お子様一人ひとり違って当たり前です。大切なのは、昨日より今日、たった一小節でも弾けるようになったお子様の小さな成長を見つけて、一番近くで応援してあげることです。

お母さんの笑顔と「すごいね!」という肯定の言葉が、お子様のピアノを弾く喜び、そして自己肯定感という、音楽技術よりもっと大切な心の栄養になります。

もう、他の子と比べる必要はありません。自信を持って、お子様のペースを信じてあげてください。あなたは、お子様の頑張りを一番よく知っている、世界でたった一人の、最高の応援団長なのですから。

まずは、今日の練習でお子様が弾いている曲に耳を傾け、「ここのメロディ、ママ好きだな」と伝えてみませんか?そして次のレッスンの際に、この記事を参考に、ぜひ先生と前向きなお話をしてみてください。


[参考文献リスト]